「なぜ私のVPSは遅い?」Solana でより高速な環境を手に入れるためには

「なぜ私のVPSは遅い?」Solana でより高速な環境を手に入れるためには

2025.07.09
ERPCは幸いなことに毎日多くの登録者にご参加いただいており、日々、高頻度トレーダーやプロジェクトがスケールするにつれて厳しくなるアプリケーション要件について技術的な質問を受け取っています。
私達自身はトレーダーではなく生粋の開発者ですが、Solana RPCの特性上、多くの高頻度トレーダーからのフィードバックが開発改善の大きなポイントとなっています。彼らは厳しい環境で日々サバイバルしているため、非常に参考になる質の高いフィードバックを提供してくれます。その結果、私達はSolanaリアルデータストリーム業界で最速の製品を提供できるようになりました。
今回は、「VPSを利用しているが、パフォーマンスが出ない」と感じている方々に向けて、ハイパフォーマンス環境を手に入れるための次のステップを解説いたします。

本気でスピードを求めるならベアメタルサーバーを選ぶ理由

まず、本気でスピードを追求し、コストが問題でない場合、VPSという選択肢自体が間違っています。最高のパフォーマンスを達成するには、ベアメタルサーバーの利用が必要不可欠です。その理由をVPSの技術的背景から説明します。

VPSは仮想マシンである

VPSの「V」はVirtual(仮想)を意味します。仮想サーバーとは、1台の物理サーバーを複数に分割して提供する技術です。例えば、物理的に1台のサーバーを100個のVPSに分割した場合、単純計算では1台あたり1/100のパワーとなります。ネットワークケーブルも共有されるため、ピーク時にはパフォーマンスが低下することがあります(後述しますが、実際にはこれほど単純ではありません)。
現代のデータセンター向けCPUは、この仮想化による性能低下を最小限に抑える設計となっていますが、それでも物理的限界があります。

オーバーコミットという技術について

VPSでは物理的なCPUコアやRAMを超えてリソースを割り当てる「オーバーコミット」という技術が使われます。
例えば、64コア128スレッドのCPUがあった場合、普通なら「2vCPUのサーバーを64個作れる」と考えるかもしれません。しかし実際には、2vCPUのサーバーを512個以上提供することが可能です。「64個の物理コアしかないのに、なぜ512個ものVPSを提供できるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。これはVPSごとにピーク負荷がランダムにずれる特性を利用しているためです。
このオーバーコミットの程度がパフォーマンスに大きく影響します。クラウドベンダーによっては8倍以上のオーバーコミットを行うことも珍しくありません。
また、多くの場合、ネットワークケーブル数は非常に限られており、仮に数千台規模の仮想マシンが存在しても、実質的には限られた数本のケーブルを共有しています。そのため、ネットワーク帯域の制限や安定性の確保が難しく、バランス制御のためのリソースも必要となり、結果として大きなレイテンシを生んでいるのが現状です。
ERPCではこのオーバーコミットを極力抑えることで、パフォーマンス低下を防いでいます。

利用されているCPU、RAM、SSDの品質

VPSというサービスは基本的に「コストパフォーマンス」を最優先に設計されています。そのため純粋なパフォーマンスの追求よりも、コストに対する性能のバランスが重視され、最新世代のCPUやRAM、SSDが採用されることは極めて稀です。
一方、ERPCはお客様がパフォーマンスを第一に求めていることを理解しています。そのため、コストバランスを考えつつも最新世代の高品質なCPU、RAM、SSDを積極的に採用しています。数値上同様の性能を一般的なクラウドサービスで手に入れようとすると約5倍の料金がかかりますが、実際には制限があり同様のパフォーマンスは発揮できません。

RAID設定とパフォーマンス低下

一般的なサーバーでは、データ損失防止のためRAID設定が行われることがあります。これは、複数のディスクを使ってデータを保護する仕組みですが、その分パフォーマンスを犠牲にします。
一方、ブロックチェーン(特にSolana)用途においては、データの公共性が非常に高く、分散システムの性質上、重要データは必ず複数のノードで複製されており、単一ノードの障害によるデータ損失はシステム全体で保護されるため、データ永続性を重視する設定よりパフォーマンスが優先されます。実際にSolanaバリデータの公式要件でもNo RAIDが推奨されており、このRAID設定に起因するパフォーマンス問題の報告も多くあります。
ERPCでは、パフォーマンスを重視するお客様のニーズに応えるため、基本的にNo RAIDを推奨しておりますが、専有ノードプランの場合、お客様の特別な要件に応じてRAID設定を施すことも可能です。お気軽にご相談ください。

Solanaとの距離

一般的なVPSやクラウドではSolana RPCエンドポイントを提供せず、通信は必ず外部インターネットを経由します。そのため距離やネットワークの状態に依存し、大幅なレイテンシが生じることがあります。
ERPCはすべてのインフラを自社ネットワーク内に保有しており、専有VPSと専有Solanaエンドポイント間は外部インターネットを経由しません。これにより、内部でのゼロ距離データ通信を実現し、ping値は約0.1msという極めて低いレイテンシを達成しています。

ネットワーク制限と料金

多くのVPSやクラウドサービスにはネットワーク制限があり、大量の通信をすると非常に高額な料金が発生する場合があります。私達は過去に大手パブリッククラウドとパートナーとして多くのクラウド製品を扱ってきた経験から、パフォーマンスと料金における課題をよく理解しています。
ERPCはSolanaバリデータが1台あたり月間150TB程度通信することを前提としてインフラを構築し、独自の高性能VPSプラットフォームを開発し、提供しています。
この価格帯において抜群の性能をお約束いたします。ご注文はValidators DAO公式Discordにて承ります。
ERPC VPS
今後も革新的なプラットフォームを開発し続けます。引き続き何卒よろしくお願いいたします。